New!
パリから南西に100km弱にある町シャルトル。
この町の名を世界に知らしめているのは「シャルトル・ブルー」、すなわち、ノートルダム大聖堂内に溢れるステンドグラスの青の洪水。フランスを代表する中世ステンドグラスの傑作群のひとつです。
13世紀に遡るこれらのステンドグラスは数々の戦乱による破壊を免れてきました。(第二次大戦ではナチスの爆撃を逃れるため、ステンドグラスは大聖堂から外されて疎開させられたそうです。)
パリ、かのノートルダム寺院からほど近くにあるサントシャペル。
2階礼拝堂は、天井にまで達するステンドグラスが全体を包み込み、あたかも色彩溢れる宝石箱の中にいるかのような感覚に捉われます。ここのステンドグラスはパリ最古(13世紀)のものとされており、旧約・新約聖書の場面を描いています。(バラ窓は15世紀のもの)
1階部分礼拝堂も、扇円型天井で独特の魅力的な空間となっています。
フランス北部ノルマンディー地方の古都ルーアン。フランスの英雄ジャンヌダルクが最期を遂げた(火刑)とされる場所にジャンヌダルク教会が建てられています。
現代的なデザインの教会(1979年建立)の壁面全体が広い窓面になっており、ここに16世紀のステンドグラス13枚がはめ込まれて、圧倒的な光で教会内を明るく開放的に照らしています。
このステンドグラスは、第2次大戦中に爆撃で破壊された聖ヴァンサン教会にあったものが、破壊を免れて移設されたものです。
プラハ市街を見下ろすプラハ城。その城内に、チェコで最も大きく重要な教会とされる聖ヴィート大聖堂があります。
大聖堂に差し込む陽を映すステンドグラスの数々。
その中には、アールヌーボーの画家Mucha(ミュシャ。チェコ語読みではムハ)がチェコの守護聖人聖ヴァーツラフなどを描いたステンドグラスもあり、彼のポスター画を彷彿とさせる独特の画調で観る者を魅了します。
できれば、画像を拡大してご覧ください。⇑
フランス、Metz(メッス)の町の第2弾。
この町には、前回ご紹介したサン・テティエンヌ大聖堂とは趣を異にする、Saint Maximin(サン・マクシマン)教会という、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな教会があります。
この教会のステンドグラスはすべてジャン・コクトーの作品です。
コクトーはフランスの詩人・画家(他に映画監督・小説家等多方面で活躍)で、この教会の彼のステンドグラスは、一般の教会ステンドグラスのように聖書に題材をとったものではなく、アフリカを想起させるような仮面・ジャングルなどをテーマとしており、教会全体を青を基調とするエキゾチックな光で満たしています。
パリから東へ、ドイツとの国境に程近いMetz(メッス)の町。
ここにあるのが、13世紀から3百年を費やして建造されたゴシック建築の傑作Saint-Etienne(サン・テティエンヌ)大聖堂。
この聖堂を訪れる者を圧倒するのが、壁を埋め尽くすかと思われる総面積6500㎡のステンドグラス。(欧州最大規模。ちなみに、名高いシャルトルのステンドグラスでも2000㎡。)
あたかも、聖堂全体がステンドグラスで作られた壮大なランプのようなことから、この大聖堂は「神のランプ」とも呼ばれます。
ここのステンドは、13世紀から20世紀まで、数々の作者により徐々に形作られてきたものですが、その中にはシャガールが旧約聖書を題材に製作した3面の作品も含まれています。
(写真は2012年に訪れた際に撮影したものです。)
ドイツ南部の町Augsburg(ローマ時代からの都市)にあるDom(大聖堂)のステンドグラスをご紹介します。
ここには、人物を描いたものとしては現存する世界最古(12世紀初頭)とされるステンドグラスがあります。
画像後半の預言者達のステンドグラスがそれで、5名の預言者のうち中央の3名(ダビデ王・預言者ホセア・預言者ダニエル)が12世紀のオリジナル、左端の1枚(預言者ヨナス)は後世に一部補修が行われているもの、右端の1枚(モーセ)は16世紀の作品とされています。
(写真は2013年8月に訪れた際に撮影したものです。)